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キス魔な彼女と草食系僕 第八話

僕と億川さんは図書館から出て、億川さんが話やすい場所を探し、結局教室に戻って来た。

億川さんは、自分の過去のような暗い話から、好きな本の話や最近見たテレビの話のような雑談まで、とりとめもなく喋った。

時計を見ると、そろそろ泪が戻って来る時間になっていた。

「あ、そろそろ時間ですか?」

「はい、そろそろ泪が帰って来る頃だと思うので‥‥」

僕がそう言った時だった。

物凄い勢いでドアが開く。

ドアの向こうには泪が、なぜか息を切らして立っていた。

「あ、泪さん、来ちゃいましたね」

億川さんが残念そうな表情になる。

「ショウ‥‥何してるの?」

「何って‥‥ただの雑談だけど‥‥帰るんでしょ? 行こ」

「じゃあ、私も途中まで着いていってもいいですか?」

億川さんが僕を見て言う。

途中と言っても、僕たちと億川さんの家は真逆だから、校門を出るまでしか一緒にいられない。

「いいですよ‥‥泪も、いいよね?」

「え‥‥うん、まぁ‥‥」

泪はそう言って不満そうにうなずいた。




「なんで、億川さんと一緒にいたの?」

億川さんと分かれた後、泪はそう言って僕に話しかけてきた。

「なんでって‥‥言っただろ、話をしてたって」

「なんで教室にいたの?」

「たまたま億川さんが話しやすそうな場所が教室だったんだよ」

「なんで二人きりなの?」

「教室に誰もいなかったから‥‥」

そこまで言ってようやく気付いた。

「もしかして‥‥怒ってる?」

「‥‥今更気がついたんだ」

泪が呆れたような表情になる。

「でも、なんで‥‥」

「彼氏が自分じゃない女と仲良さそうに喋ってて‥‥怒らないわけないじゃん」

そう言って泪は僕から顔をそむける。

「えっと‥‥ごめん」

「ダメ。許さない」

泪は歩測を速める。

本気で、怒っていた。

「ちょ、待ってよ泪!」

「待たない」

「泪!」

僕はかろうじて泪の制服の裾を掴む。

「はなし――」

僕は強引に泪を引き寄せてキスをする。

数秒して顔を離すと、泪の顔は真っ赤になっていた。

キス魔でわがまま姫は、こっちからキスされることに慣れていない。

「これで‥‥許してくれない?」

「‥‥次はこれくらいじゃ許さないから」

そう言って泪はもういちど歩き始める。

無表情になろうとして、でもやっぱり頬が緩みっぱなしだったのを、僕はしっかり見ていた。



泪と喧嘩しそうになって、なんとか喧嘩しないで済んで、僕は油断していたのかもしれない。

「ん‥‥なんだろ、これ」

億川さんから借りた本に挟まっていた一枚の紙。

それは、僕の「日常」が、さらに大変なことになる、片道キップだった。
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