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キス魔な彼女と草食系僕 第十話

「京‥‥極?」

「助っ人とーじょー、てね」

京極はそう言うと僕の方に歩いて来る。

「は? 誰だよお前」

「名前‥‥か。どう呼ぼうと好きにするといいよ」

京極は足を止めずにいつもと違う口調で言う。

京極はうっすらと笑みを浮かべる。

いつもの人を和ませる笑みではなく、相手の背筋をゾクッとさせる笑みだった。

男達は少しだけたじろいだ、がすぐに元の笑みを取り戻す。

「おい‥‥お前みてぇなデブに何が出来る!!」

「んなこと言われてもな‥‥」

京極が頭をぽりぽり掻いていると、男の内の一人が殴りかかって来る。

が、京極はいとも簡単に拳を手のひらで止めてみせた。

「な‥‥!?」

「ヌルいよ、お前」

京極はそう言うと、男を頭から床にたたき付けた。

男は動かなくなった。

「全員で来いよ―――まぁそれでも勝つけど」

京極はそう言って男達に詰め寄って行く。

男達はその挑発に乗った。

「ぶっ殺す!」

残り三人がいっせいに京極目掛けて走りだす。

だけど、京極は全く動じずに冷静に対処した。

一番初めに京極に近づいた男の繰り出した拳を回避し、バランスを崩した男の顔面に膝蹴りをくらわせ、別な男の目の前に突き飛ばし、ぶつかってバランスを崩した男の足を掴み、頭から床にたたき付け、残りは鉄バットの男だけになった。

「く‥‥そがぁぁ!!」

男は鉄バットをめちゃくちゃに振り回してくるが、京極は冷静に攻撃を見切り、男に近づき腹を殴った。

ふらついた男に京極が再度近づく。

「邪魔だ下衆がぁ!!」

そう叫び男の顔面を渾身の力で殴る。

男はその一撃で地面に倒れ込んだ。

「さて‥‥逃げるよ、二人共」

そう言って京極は僕に手を差し出した。



京極は僕らを保健室に連れてきた。

「連れてきたよ、センセ」

「お前にそう言われると、なんか気持ち悪いな」

七瀬先生は、真顔で僕を手招きする。

「ズボン脱いでここに座れ」

「えっ‥‥」

「腿、痛めたんだろう?」

七瀬先生は、僕の右足を指差す。

「え、なんで‥‥」

知ってるんですか。

そう聞く前に、七瀬先生は黙って僕の後ろに居た京極を指差した。

「京極‥‥見てたの?」

「見てないよ。でも、知ってた。今日起こる事はね」

京極は悪びれもせずにしれっと答えた。

「知っ‥‥てた?」

億川さんは信じられないという顔をしている。

普通は信じられないと思う。

でも、付き合いの長い僕には分かる。

京極は嘘をついてない。

「‥‥なんで」

「止めなかったのかって? 止めたって翔太は行くでしょう?」

図星、だった。

多分、京極に止められても、いや、何が起こるかを知っていたらむしろ、億川さんを助けるためにあの場所に行っていたと思う。

億川さんは絶句していた。

「どーでもいいが、さっさと脱げ、処置が出来ない」

七瀬先生がイライラしたようにこっちを見ていた。



「これで良いだろう、もう履いていいぞ」

七瀬先生が包帯を巻き終わって道具を片付ける。

僕がズボンを履いて、京極と億川さんの前に戻る。

「大丈夫だった?」

「うん、大したことないよ」

バットで殴られたから、内出血してるかと思ったけど、そこまでではなかった。

「あの‥‥ごめんなさい」

億川さんが、静かに頭を下げる。

「私のせいで‥‥こんなことになって‥‥」

「‥‥謝らないでください、億川さんのせいじゃないんですから」

僕の言葉を聞いた億川さんは、驚いたように顔を上げた。

「別に、億川さんがやりたくてやったわけじゃないんでしょう?」

「それは‥‥そうです、けど、でも」

「それに、迷惑だとも思ってませんしね」

「えっ‥‥」

億川さんはまた驚いている。

「でも、私のせいでその‥‥怪我をしてしまってるわけですし」

「別に、大丈夫ですよ」

幸か不幸か、こういう事には慣れている。

それに。

「友達じゃないですか、僕達は」

「友、達‥‥?」

「僕は、勝手にそう思っていましたけど」

本当は、友達と呼ぶのには、付き合いが短いんだと思う。

出会ったのは入学した時、ちゃんと会話をしたのは、昨日が初めてだ。

でも、それでも。

関わりを持った。

繋がりを確かに僕らは持った。

だから、僕らは『友達』なんだ。

億川さんは、完全に言葉を失っていた。

それがどういう感情なのか、僕には分からない。

ただ、僕は僕が正しいと思った事をして、言った。

だから、後悔はない。

「こういう人なんだよ、翔太は」

京極は呆れたように笑っている。

「あまり、好ましいとは思わないがな」

七瀬先生も呆れている。

ただ、京極と違って笑ってはいない。

「それは――」

どういう意味ですか、そう訊く前に、保健室のドアが開いた。

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No title

すみません
ブログ主さんのほう、今どうなってますか?
連載中の3作品はともかく「キス魔」は執筆しているものではないのに
更新がないので少し気になりまして・・・

何か催促している感じですごく申し訳ないのですが、どうにか報告してもらえると嬉しいです。

大変返信遅くなりました

コメントありがとうございます。

第十話投稿以降、携帯を機種変更したのですが、その際に以前のデータが全部消えてしまい、その他諸々の事情があり現在auをたらい回しされながら復旧中です。
とりあえず、キス魔の方は見つからない22話以前の話は復旧しましたので、今後上げていく予定です。
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織田一菜&K

Author:織田一菜&K
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