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キス魔な彼女と草食系僕  第十二話

途中から視点が九重から三人称視点に変わります

学校から出た後、僕達は会話をしないまま歩き続けた。

いつもなら僕に合わせて歩いてくれる泪は、一人ですたすたと歩き、僕は痛みを我慢して小走りで追いかける。

僕がどれだけ話しかけても、泪は無視した。

明らかに怒っていた。

だけど、どうすればいいか分からなかった。

本当のことを言っても、このまま黙っていても、どうしても泪を傷つけてしまうと思ったから、何を言えばいいのかさえ、分からなかった。

どれだけ歩いたのだろうか。

いつの間にか僕達の家の近くにある、小さな公園に来ていた。

泪は、ようやくそこで立ち止まった。

「泪‥‥」

「‥‥何で」

「え?」

泪がぽつりと呟く。

「何で‥‥今まで私に話してくれなかったの?」

「何でって‥‥迷惑かけたくなかったから‥‥」

僕がそう言うと、泪は僕の方を向いた。

泪は泣いていた。

「迷惑って‥‥何でそんなこと言うの!? 迷惑なわけないじゃん! ショウは私の恋人なの! 大切な人なのよ! どんなことがあっても‥‥迷惑なわけないじゃない‥‥」

泪はそう言うと手で顔を覆った。

「ショウの‥‥馬鹿‥‥」

「‥‥ごめん」

「‥‥本当にそう思ってるなら‥‥もう自分だけで‥‥抱え込まないで‥‥私に、隠し事しないで」

「‥‥うん、分かった」

僕がそう言うと、泪は僕に抱き着いてきた。

ちょうど男運に蹴られた所にぶつかられ、痛みが走る。

「‥‥泪、痛いんだけど‥‥」

「‥‥いつから?」

「え?」

「いつから‥‥こんな目に遭ってたの‥‥」

泪は顔を僕の胸に額を当てたまま聞いて来る。

「‥小6くらい、から」

正直に答えた。

泪は顔を上げ、僕の目を見つめる。

泪はまだ泣いていた。

「‥‥ごめんね、ショウ‥‥気付いてあげられなくて‥‥私のせいで‥‥」

「泪のせいじゃない!」

僕は思わず大声を出していた。

「これは、泪のせいじゃないよ。全部あいつらが悪いんだ‥‥だから‥‥泣かないで。僕は‥‥泪の笑顔が好きだから」

気付くと僕はそんな恥ずかしい告白をしていた。

多分顔がすごく赤らんでいる。

「ショウ‥‥私も好きだよ。ショウのそういう所」

泪はそう言って笑顔になり、僕の手を掴んで公園に入って行く。

泪はブランコに座った。

「ねぇ覚えてる?」

「何を?」

僕は泪の隣のブランコに座る。

「昔‥‥保育園の時だったかな。私がこのブランコから落ちて‥‥ショウが助けてくれたの」

「そうだったっけ?」

全然覚えてない。

「そうだよ‥‥その時だもん。ショウのこと好きになったの。いつもは頼りなくて、気弱で、鈍感で、優柔不断で‥‥だけど、優しくて、私がピンチの時にはどんなことがあっても、自分を犠牲にしても助けてくれる‥‥それに気付いたから」

泪はそう言ってブランコから下りた。

「好きだよ、ショウ」

泪が顔を少しだけ赤くして言うと、泪は僕にいつものようにキスをした。


◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆


下校時間がとっくに過ぎた保健室に、七瀬と京極、そしてもう一人、小柄な少年が残っていた。

「どうして、バラしたの?」

小柄な少年―――五十嵐一二三は七瀬の隣に座り、ベッドの上で横になる京極に尋ねた。


「理由、聞いてたんでしょ。ベッドの下に隠れて‥‥別に翔太は二人がラブラブなの知ってるから別にいちゃいちゃしてるとこ見られても大丈夫じゃない?」

「お、億川がいただろうが!」

京極がそう答えると七瀬が赤面しながら答える。

一二三は少しだけ照れ臭そうだ。

「あ、本当にいちゃいちゃしてたんだ」

京極はニヤリと笑う。

「ふざけてないでまともに答えろっ!」

七瀬が顔を羞恥と怒りでさらに真っ赤にして言う。

「だから言ったでしょ。翔太に言った通りだって‥‥」

「あれは真実の一部、でしょ? 嘘じゃないけどあれが全部じゃないんじゃない?」

一二三が言う。

「‥‥鋭いね」

「何年お前と一緒にいると思ってるんだよ」

一二三はそう言って笑う。

「だったら聞かなくても‥‥」

「絶対の確信が欲しいの、僕は‥‥で、何で?」

「‥‥みんな救うには、あのタイミングがベストだった。俺のプラン的にはね」

「みんな?」

「翔太も泪も‥‥細雪も、みんな」

「細雪‥‥か。もっと積極的に助けてやらんのか?」

七瀬がそう言うと京極は起き上がった。

「あんたがそれを言うか七瀬‥‥イジメについてはあんたなら誰よりも知ってるだろ」

「ああ、そうだな‥‥スマン」

「とにかく、多分これがベストな選択なはずだ‥‥翔太は僕のプラン通りに動いてくれるからね」

「‥‥なんでそんなこと分かるんだ?」

七瀬が聞くと京極は笑みを浮かべながら言った。

「僕のプランに間違いはないからさ」
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