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キス魔な彼女と草食系僕第二十五話

ゴールデンウイーク後半になると、馬鹿みたいに多かった課題も終わり、結構自由な時間が増える‥‥はずだった。

「ショウ、ここ分かんない‥‥」

「えっと、ここは‥‥」

僕のゴールデンウイーク後半は部活に一生懸命すぎてほとんど課題に手をつけていなかった泪に勉強を教える、という作業に追われていた。

恋人同士で勉強をしたりすると、いちゃいちゃするものなのかもしれないけど、今の僕達にそれだけの余裕はない。

「全然分かんないよ〜」

「ちゃんと授業聞いてないからだよ」

僕がそう言うと泪は不満気な顔をする。

「‥‥もうちょっと優しい言葉かけてよ」

「頑張って〜」

「心こもってないし‥‥」

「ほら、口動かさないで手を動かす」

僕達がそんなことを言い合っていると、
玄関で誰かが話し合う声がした。

また買い物をしていた母さんが誰か知り合いを連れて来たのだろうか。

すると、誰かが二階に上がってくる音がした。

誰が来たんだろう、と思って部屋の扉を開けると、そこには思ってもみない人がいた。

「お、億川さん!?」

廊下に立っていたのは、この前よりもラフな恰好をした億川さんだった。

「お、お邪魔してます‥‥えっと、部屋の中に行ってもいいですか‥‥?」

億川さんは僕に訊く。

「いいですけど‥‥今泪の勉強を」

「億川さん、入りなよ!」

僕が話してる途中に泪が僕の後ろから言う。

「泪、勉強は?」

「たまには息抜き!」

「お、お邪魔なら帰りますよ‥‥?」

「邪魔なんてことは‥‥」

「あら、廊下で何やってるの?」

僕達が話していると、母さんが二階に上がって来た。

「おやつ持って来たわよ」

「わ、奈緒子さんのクッキー!」

「『奈緒子さんの』‥‥?」

「母さんの趣味なんですよ、料理」

「めちゃくちゃ美味しいんだよ!」

不思議そうな顔をした億川さんに僕と泪が説明する。

「あら、口が上手いわねぇ。さ、入って入って」

母さんは嬉しそうに笑いながら僕の部屋へと促した。

僕の部屋なんだけどな‥‥



「億川さん、ここ分かんない‥‥」

「あ、そこはですね‥‥」

結局億川さんが来てからも泪に勉強を教えることは変わらなかった。

でも、億川さんが来てから泪はきちんと勉強をし始め、億川さんも僕よりずっと丁寧に泪に教えてくれている。

「ごめんなさい、お客様なのにこんなことさせて‥‥」

僕がそう言うと億川さんが首を横に振る。

「いいんです。私、あんまり人に頼られるってことなかったんで‥‥こういうの、嬉しいです」

億川さんは僕の顔を見ないで答える。

「差し入れよ〜」

母さんがドアをノックせずに入って来る。

「ノックしてよ」

「別に勉強してるだけならいらないでしょ?」

母さんはお盆の上にジュースを持ってやって来た。

「はい、どうぞ、細雪ちゃん」

「あ、ありがとうございます!」

億川さんが前と同じように緊張気味に答える。

「ねぇ、翔ちゃん」

「ちゃん付けしないで」

母さんは僕のことを昔からずっとちゃん付けで呼ぶ。

「どっちが本命?」

母さんは僕の言葉を無視して聞いた。

「は?」

「どっちも可愛いし‥‥モテるんだね、翔ちゃん」

「はぁ!?」

「し、ショウは私の!」

「私と九重君はそういうじゃないです!」

僕達は同時に大声で叫ぶ。

「じゃあ、翔はどっちが好きなの?」

「さっきと聞いてること同じだよ‥‥っていうか、母さん僕と泪が付き合ってるの知ってるでしょ」

「あら、二股してるかもしれないでしょう? っていうかして、そっちの方が楽しいから」

どんな親だ。

「絶対しないよ」

「ショウ、ありがと!」

僕は泪に抱き着から押し倒され、無理矢理キスされそうになる。

「うわ、止めて!」

「いいじゃん別に」

「あ、あの!」

泪との顔の距離が殆ど0になった時、億川さんが声を出す。

「そ、そういうの、よくないと思います‥‥」

億川さんが顔を赤くして、俯いて言うと、母さんがフッと笑った。

「あら、そういうこと」

「何が?」

僕が母さんに尋ねると母さんはニヤリと笑う。

「細雪ちゃんも翔ちゃんといちゃいちゃしたいってことでしょ?」

母さんが億川さんにそう言うと、億川さんはびくっとした。

「えっと‥‥」

「ほら、じゃれあっちゃいなさいな」

母さんはそう言うと億川さんの手を引っ張って無理矢理僕の方に引き寄せた。

「え、えぇぇ!?」

「ちょ、母さん!?」

僕と細雪さんとの距離が0になる。

ちょうどその時家の電話が鳴った。

「で、電話に出てくる!」

僕はそう言ってその場から逃げ出した。



「もしもし、九重ですが」

『あぁ、ショウぅ?』

電話をかけてきたのは京極だった。

「京極? どうしたの?」

『いやぁ、町で億川さんを強引に連れて行く奈緒子さんを見たからぁ、そろそろ奈緒子さんが暴走する時間じゃないかと思ってぇ』

「‥‥うん、助かった」

『そりゃあ良かったよぉ‥‥それでお願いなんだけどぉ』

「お願い?」

『うん、明日の夜、億川を連れて『夢魔の巣』に来て欲しいんだぁ』

『夢魔の巣』はこの町にある『ナイトメア』と呼ばれる不良を構成させるグループが主に入り浸っている場所で、僕も京極と一緒に行ったことがある。

「何で?」

『ちょっとねぇ。じゃあ、頼んだよぉ』

京極はそう言って一方的に電話を切った。

何だったんだろう‥‥?
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No title

この回以前の話数が一話ずつずれていますが、これは22話の分を新しく補完したのでしょうか?

あと、自分の目には億川さんがこの回でも始めて家に来たように見えたり
最後の電話の部分もそのまま26話に繋がるのかと思ってしまったりで時系列が
よく分からないので、その辺り詳細が聞きたいです。

読解力悪くてスイマセン。

Re: No title

超絶不定期にあげているのにも関わらず、いつもコメントありがとうございます。

> この回以前の話数が一話ずつずれていますが、これは22話の分を新しく補完したのでしょうか?
>
これはどこかでアップをミスしたらしく、実際の話数と、以前のデータに付けられた話数がずれていたので修正いたしました。
現在どこをミスしたのかを捜索中です

> あと、自分の目には億川さんがこの回でも始めて家に来たように見えたり
これは単純に自分の文章力不足です、スミマセン。
億川は一応二十一話(4月29日)で正岡と京極にくっついて来てます。
ただ、この時には奈緒子と億川はほぼ会話していませんし、奈緒子自身も億川に特別注目はしてないです。
その後、二十五話で奈緒子が強引に億川を連れて来ています。


> 最後の電話の部分もそのまま26話に繋がるのかと思ってしまったりで
そのまま26話に繋がります。

時系列をまとめると
4月29日 正岡、京極、億川が九重の家に来て、億川が九重から五泉がキス魔になった理由を訊く(二十一話~二十四話)
5月3日  億川が奈緒子に強引につれて来られる。京極から電話が来る(二十五話)
5月4日夜 九重が億川を連れて夢魔の巣に行く。

No title

時系列把握しました。
二十一~二十四話と二十五話は日が違ったのですね。
簡単なことでした。ありがとうございました。
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織田一菜&K

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