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キス魔な彼女と草食系僕 第三十話

億川さんが宣戦布告してから3日経った。

結局、誰に宣戦布告してるのか分からず、いつのまにか話題になることはなくなった。

「翔太ぁ、知ってるぅ?」

朝のSHRの前に、京極が僕に話し掛けて来た。

「何を?」

「細雪がぁ、髪型変えてからすっごいモテてるんだってぇ」

「へぇ」

まぁ、かなり可愛いし、当然と言えば当然の話なんだけど。

「でもぉ、告白されても『好きな人がいます』って言ってぇ、断ってるんだってぇ」

「そうなの?」

細雪さんにも好きな人がいるんだ‥‥

「誰なんだろうね」

僕がそう言うと京極が僕をじっと見る。

「どうかした?」

「別にぃ‥‥」

京極はそう言うとくるりと後ろを向く。

(相変わらず鈍感‥‥こりゃ細雪も大変だ)

「何か言った?」

「何でもないよぉ」

僕が訊くと京極は僕を見ないで答える。



SHRのチャイムが鳴った。

「よーし、ホームルーム始めるよ」

そう言いながら子供くらいの身長しかない担任の九十九新太郎先生が教壇に立つ。

スーツを着ているけど、どう見ても似合ってない。

「――じゃ、今日は席替えするから」

連絡事項を話し終えた九十九先生が突然言い出した。

「えぇー!」

「聞いてないよ」

「何でいきなり?」

クラス中がざわつく。

「いや、そろそろこの配置飽きたなぁって思って」

「先生の都合かよ!」

「横暴だ!」

クラス中ブーイングの嵐だ。

「いいからやるのっ! ほら、早くくじ引いて!」

九十九先生に無理矢理促され、皆が次々にくじを引く。

皆がくじを引く間に九十九先生が黒板に座席と番号を書き込む。

「もし席離れたらどうしよう‥‥」

泪が不安そうな顔をしている。

「どうせ離れても休み時間ごとに僕の席に来るんでしょ?」

僕がそう言うと泪はムッとした表情になる。

「それはそうだけど‥‥授業中も近くにいたいの! ショウは違うの?」

「授業中は授業に集中したい」

僕がそう答えると泪はますますムッとした表情になる。

「ショウの馬鹿真面目!」

泪はそう言うとくじを引きに席を立ち上がった。

なんじゃそりゃ‥‥



「じゃあ、自分が引いた番号の席に動いて」

皆が引き終わった後、九十九先生が言う。

皆黒板に書かれた数字と自分のくじの数字を見比べ、自分の荷物を持って新たな自分の席に移動する。

泪の番号を訊こうとしても、「離れたら嫌だから言わない」と言って教えてくれなかった。

僕は一番前の一番窓側の席になった。

「え、ショウそこなの?」

僕の背後から話し掛けて来たのは泪だった。

「よ、よかった‥‥」

泪はそう言ってへなへなと椅子に座り机に倒れこんだ。

「離れなくて良かったよ〜‥‥」

泪は若干目を潤ませている。

「泣くほどのことじゃないじゃん‥‥」

僕がそう言うと泪が僕を睨む。

「私はショウと一分一秒でも長く一緒にいたいの! ショウは違うの!?」

「僕だってそうだけど‥‥でも授業中何もしないで近くにいるより、泪が部活終わってから、一緒に何かしてる方がいいけど。泪は違うの?」

「それは‥‥そうだけど‥‥」

泪は何故か納得出来なそうな表情をする。

「あの、お二人共ここの席ですか?」

今度は隣から声をかけられた。

「億川さん、僕の隣の席なの?」

僕が億川さんに訊くと、億川さんは頷いた。

「お二人共、よろしくお願いします」

「うん、よろしくね」

僕がそう答えると、億川さんは笑顔になる。

億川さんは髪型を変えてから笑う事が増えたと思う。

可愛いから、もっと笑えばいいのに‥‥と思うけど、今言うと泪に怒られるから言わない。

「‥‥ショウ、何デレデレしてるの?」

泪が僕を再び睨む。

「で、デレデレなんてしてないよ!」

「いーや、絶対してた! 口元が緩んでた!」

「そこの二人うるさい! 痴話喧嘩は後で!」

泪が叫ぶと、九十九先生に怒られ、教室中が爆笑に包まれる。

何で僕まで‥‥泪が勝手に怒ってるだけなのに‥‥


◆◇◆◇◆


放課後になった。

九十九が授業を終え、教務室に帰ろうと階段を上ろうとすると、階段の陰から誰かに話し掛けられた。

「気付いてたの、あんた?」

京極だった。

いつもの笑顔満面のほんわかムードではない。

「気付いてたって、何が?」

「とぼけんなよ。あんた、細雪の気持ちに気がついてんだろ。だからいきなりイカサマなくじで翔太と細雪の席を近づけたんだろ?」

「うーん、どうだろうね?」

京極の質問に九十九は顔色一つ変えずに答える。

「‥‥俺、あんた嫌いだ」

「奇遇だな。俺もだ」

九十九はそう言うとニヤリと笑う。

「校内屈指の美人の恋人と人気急上昇中の美少女とただの草食系男子の三角関係‥‥ワクワクしない?」

「ゾクゾクするよ、あんたの思考回路に」

京極は忌ま忌ましそうに呟いた。
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